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感情は理性の邪魔をする、
とか
冷静な意思決定に感情を持ち込んではいけない、
と仕事をする上で言われたり感じたりしたことがあるのではないでしょうか。
今日は、感情は合理的な意思決定を助けてくれるらしいよ、というお話です。
アントニオ・ダマシオのソマティックマーカー仮説という説があります。
ダマシオは、感情は「好きー嫌い」や「快ー不快」の表れであり、それらが私たちの意思決定を助けてくれている、と主張しています。
ダマシオは、脳を損傷した患者さんと接していて、感情に関わる重要な部分を損傷していると、非常に高い知能を持っていても合理的な意思決定や行動ができない傾向があることに気がつきました。つまり、いくら理性的でも、感情を欠いていると合理的ではない選択をしてしまうことに気がつきました。
ダマシオは、「なんか嫌な感じがする」という身体の感覚が起こり、それを脳が「嫌な感じ」という感情として検知することで、危険を回避する決定をしていくことができるらしい、といっています。
1. 身体の感覚としてなんとなく嫌な感じやいい感じが発生する
↓
2. 脳が「嫌な感じ」「いい感じ」と認識する
↓
3. これこれこういう理由だからこれはやってみよう、とかやめておこうと判断する
どうやら、私たちは、論理的に整理して理解する前に、「なんとなく嫌な感じ」や「なんとなくいい感じ」を身体の感覚や感情として感じているようです。これらの感覚を大切にすることが、合理的な判断につながるわけです。
優柔不断で決められない方は、もしかすると1と2をすっ飛ばして、頭で考えて結論を出すことにこだわってしまっているのかもしれません。
もしそうだとしたら、「失敗したくないから頭で考えることにこだわっちゃったんだね」「より幸せになる判断をしたいと思って感情を抑えようとしたんだね」、と自分に優しい気持ちを向けてくださいね。そして、身の回りのちょっとした小さな決断から、「なんとなく嫌な感じ」や「なんとなくいい感じ」を意識してみるのはどうでしょうか。
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