はぐくむブログ

“大丈夫な自分”を頑張り続けてきた方へ。考え続けているのに楽にならない方に向けて、トラウマと身体感覚(Somatic Experiencing)の視点から、生きづらさをやわらげるヒントを発信しています。

床は、あなたを支え続けている

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「安心は、身体から育っていく」

第2回  床は、あなたを支え続けている

──「安心は、身体から育っていく」シリーズ 第2回

前回の記事では、「椅子の背もたれにもたれる」という小さな体験を通して、「全部を自分で支えなくてもいい」ということについて書きました。

今回は、その続きです。

私たちは、椅子だけではなく、毎日ずっと床にも支えられながら生きています。


「しっかり立ってください。」

そう言われると、多くの人は身体に力を入れます。

背筋を伸ばいて、踏ん張って、倒れないように立とうとします。

私たちは、「立つ」ということを、自分の力で身体を支えることだと思っているのかもしれません。

でも、本当は少し違います。

私たちは立っているあいだ、ずっと床に支えられています。

足の裏で床を押していると同時に、床もまた、私たちの身体を支え返しています。

私たちは、自分一人の力だけで立っているわけではありません。


ただ、それを感じられなくなってしまうこともあります。

いつも気を張っている人。

頑張り続けてきた人。

「自分で何とかしなければ」と生きてきた人。

そんな人ほど、身体は「支えられている」よりも、「自分で支えている」という感覚が強くなります。

足は床についているのに、どこか身体全体で踏ん張り続けている。

肩や背中に力が入り、いつでも動けるように、いつでも耐えられるように構えています。

それは怠けているからではありません。

身体が、その生き方を覚えてきたのです。


ここで、一つ大切なことがあります。

私たちは、「安心」を、「何も起こらないこと」だと思いがちです。

何も問題が起きないこと。

心が乱れないこと。

ずっと穏やかでいられること。

でも、本当にそうでしょうか。

人生には、自分ではどうすることもできない出来事があります。

思いがけない別れ。

病気。

失敗。

予想もしなかった出来事。

世界は、ときどき私たちの思うようにはなりません。

だから私は、安心とは「揺れないこと」ではないのだと思っています。


安心とは、揺れないことではありません。

揺れの中にいるときは、支えを感じられないこともあります。

身体が緊張し、周りを見る余裕がなくなることもあります。

それは、とても自然な反応です。

でも、身体が少し落ち着きを取り戻したとき。

ほんの少し呼吸が深くなったとき。

そのとき、私たちはもう一度、そこにある支えに気づくことができます。

床は変わらず足の裏を受け止めています。

椅子は背中を支えてくれています。

呼吸は続いています。

誰かの声や、温かい飲み物、窓から入る風が、自分を少し落ち着かせてくれることもあるでしょう。

支えは、一つではありません。

そして、たとえ今は感じられなくても、支えが永遠になくなってしまったわけではありません。


もし今、この記事を読みながら立っているなら、少しだけ足の裏に意識を向けてみてください。

「何かを感じよう」と頑張らなくても大丈夫です。

ただ、足の裏が床に触れていることを知る。

床がそこにあることを知る。

それだけで十分です。

支えは、感じようと努力して見つけるものではなく、身体が少し落ち着いたときに、ふと気づくことがあります。


安心とは、揺れないことではありません。

揺れることがあっても、身体がもう一度、支えに気づいていけること。

私は、その力を少しずつ育てていくことが、「安心を育てる」ということなのだと思っています。

 

 

 

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対面(新宿、高円寺、指扇(埼玉))、オンラインどちらもご利用いただけます。

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支えることは得意なのに、支えられることは苦手な人へ

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「安心は、身体から育っていく」

第1回 支えることは得意なのに、支えられることは苦手な人へ

カウンセリングで、

「少し椅子の背もたれにもたれてみましょうか。」

とお伝えすると、こんな言葉が返ってくることがあります。

「姿勢が悪くなる気がして……。」

「ちゃんと座っていないと落ち着きません。」

「もたれるのは、なんとなく怠けている感じがします。」

姿勢の話をしているように聞こえるかもしれません。

でも私は、こういった言葉を聞くと、「この方にとって身体を預けることは、どんな意味があるのだろう」と考えます。


椅子(背もたれ)にもたれるということは、自分の体重を椅子に預けるということです。

背中を背もたれに任せて、「全部を自分で支えなくてもいい」と身体が少しだけ許可を出すことでもあります。

普段はあまり意識しませんが、これは意外と大きな出来事です。


人を支えることが得意な人がいます。

職場では頼られることが多く、家族や友人の相談にもよく乗る。

周りを気遣い、困っている人がいれば自然と手を差し伸べる。

そんな人ほど、自分が支えられることは苦手だったりします。

誰かに頼ることに抵抗がある。

弱音を吐くのが苦手。

「これくらい自分でやらなければ」と思ってしまう。

そして、その生き方は、心だけではなく身体にも表れることがあります。

椅子(背もたれ)にもたれようとしても、どこかで踏ん張ってしまう。

無意識に背中が浮いてしまう。

身体がずっと、「自分で支え続ける姿勢」を保っているのです。


もちろん、椅子にもたれないこと自体が悪いわけではありません。

姿勢にも好みがあります。

ただ、「もたれたいのに、もたれられない」としたら。

その身体の反応には、これまで生きてきた歴史が隠れていることがあります。

子どもの頃から気を張っていた。

安心して甘えられる時間が少なかった。

周りに迷惑をかけないよう、自分で頑張るしかなかった。

そんな経験を重ねると、身体は「自分で支え続けること」が当たり前になります。

それは性格ではなく、生き延びるために身につけた身体の学習なのかもしれません。


だから、「支えられることが苦手」なのは、意志が弱いからでも、人を信じていないからでもありません。

身体がまだ、「支えてもらっても大丈夫」という経験を十分に知らないだけなのです。

安心は、頭で理解するだけでは育ちません。

身体が少しずつ経験していくものです。

椅子に背中を預ける。

床に足を預ける。

深く息を吐いてみる。

そんな小さな経験を重ねながら、身体は少しずつ新しい学習を始めていきます。


もしこの記事を読みながら、

「私はいつも支える側だったな。」

そんなことを思い出した方がいたら、一度だけ試してみてください。

今座っている椅子に、背中をほんの少しだけ預けてみる。

背もたれが、あなたの体重を受け止めていることを感じてみる。

全部ではなくて大丈夫です。

ほんの少しだけ。

身体は、そういう小さな経験を積み重ねながら、「一人で頑張り続けなくてもいい」ということを、少しずつ思い出していきます。

 

 

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愚痴を言いたくなるのは、弱いから? ― アタッチメントと神経系の視点から考える「愚痴」の役割

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「また愚痴を言ってしまった。」

そんなふうに、自分を責めたことはありませんか。

「前向きにならなきゃ。」
「愚痴ばかり言う人にはなりたくない。」
「こんな話ばかりしていたら嫌われるかもしれない。」

そう思えば思うほど、苦しさを一人で抱え込んでしまう人も少なくありません。

でも、トラウマや神経系の視点から見ると、愚痴を言いたくなることには、ちゃんと理由があります。

それは、心が弱いからでも、性格に問題があるからでもありません。

あなたの心と身体が、「一人では抱えきれない」と教えてくれているサインなのかもしれません。


愚痴は「誰かとつながりたい」という自然な反応

私たちは、つらいことがあると誰かに話したくなります。

「今日こんなことがあってさ。」
「ちょっと聞いてほしいんだけど。」

これは単に不満を吐き出しているだけではありません。

アタッチメント理論では、人は不安や苦痛を感じると、安心できる相手とのつながりを求めると考えられています。

子どもが転んで泣きながら親のところへ駆け寄るように、大人もつらい出来事があると、「誰かと一緒にいて安心したい」と身体が自然に求めるのです。

だから愚痴とは、

「このつらさを、一人で抱えなくてもいいよと言ってほしい。」

そんな願いが込められた、とても人間らしい行動だと言えるでしょう。


本当に欲しいのは、解決策ではなく安心

愚痴を聞いていると、「こうすればいいのに」とアドバイスしたくなることがあります。

でも、多くの場合、話している本人が本当に求めているのは解決策ではありません。

「それは大変だったね。」
「嫌だったね。」
「それは苦しかったね。」

そんなふうに、自分の体験をそのまま受け止めてもらえたとき、人は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

ポリヴェーガル理論では、このように安心できる相手との関わりによって神経系が落ち着いていくことを 共同調整(co-regulation)と考えます。

穏やかな声。
安心できる表情。
ゆっくりとうなずいてくれること。

そうしたやり取りを通して、「危険だ」と感じていた神経系は、「もう大丈夫かもしれない」と少しずつ安心の状態へ戻っていきます。

私たちは、言葉だけで安心するのではありません。

安心できる人との関係そのものが、神経系を回復させてくれるのです。


それでも、愚痴が止まらないことがあります

一方で、話しても話しても苦しさが消えないことがあります。

同じ出来事を何度も思い出してしまう。
相手を変えて何度も話してしまう。
話した直後は少し楽になっても、またすぐに苦しくなる。

そんな経験はないでしょうか。

もちろん、強いストレスが続いていたり、反芻(はんすう)の癖があったりすると、愚痴が長引くことは誰にでもあります。

でも、アタッチメントの視点から見ると、安心を十分に受け取れなかった経験が影響していることもあります。

子どもの頃、悲しかったことや悔しかったことを話しても、

「そんなことで泣かないの。」
「気にしすぎ。」
「あなたにも悪いところがあるでしょう。」

そんなふうに返され続けると、つらさは十分に受け止められないまま、身体の中に残ってしまいます。

すると大人になってからも、誰かに話すたびに、

「今度こそ分かってもらえるかもしれない。」

そんな願いが無意識のうちに働くことがあります。

でも、過去に受け取れなかった安心は、一度話しただけでは満たされません。

だから同じ話を繰り返したくなる。

「まだ分かってもらえていない。」
そんな感覚が残り続けることがあります。

これは、わがままだからでも、依存心が強いからでもありません。

長いあいだ安心を十分に感じられなかった神経系が、「まだ安心できていない」と知らせている反応なのです。


大切なのは、「話したあと」の身体

愚痴が回復につながっているかどうかは、話の内容よりも、話し終わったあとの身体に表れます。

少し呼吸が深くなった。

肩の力が抜けた。

「聞いてもらえてよかった。」

そんな変化があるなら、その愚痴は神経系を落ち着かせる時間になっていたのでしょう。

逆に、話せば話すほど興奮してしまう。
怒りが強くなって眠れなくなる。

そんなときは、神経系がまだ危険を感じ続けているのかもしれません。

散歩をする。
温かい飲み物を飲む。
ゆっくり呼吸する。

そんなふうに身体を落ち着かせる時間を挟むことも、回復には大切です。


愚痴の奥には、「分かってほしかった気持ち」があります

もし最近、「また愚痴を言ってしまった」と感じることがあるなら、自分を責める前に、こんな問いを向けてみてください。

「私は、本当は何を分かってほしかったんだろう。」

その問いの先には、怒りだけではなく、悲しみや怖さ、寂しさ、心細さが隠れていることがあります。

愚痴は、その感情にたどり着くための入り口なのかもしれません。


おわりに

愚痴を言いたくなるのは、弱いからではありません。

それは、人とのつながりを求め、高ぶった神経系を落ち着かせようとする、とても自然な反応です。

だから、「愚痴を言わないようにしよう」と我慢することが回復につながるとは限りません。

本当に大切なのは、安心できる相手との関係の中で、

「そのとき、本当につらかったね。」

と落ち着かせてもらう体験を少しずつ積み重ねていくことです。

神経系は、安心を理解して変わるのではなく、安心を体験することで少しずつ変わっていきます。

一人では整理しきれない愚痴の奥には、言葉にならなかった悲しみや怖さが隠れていることがあります。

カウンセリングでは、「愚痴を減らすこと」を目標にするのではなく、その背景にある神経系の反応やアタッチメントのパターンを一緒に見つめながら、少しずつ安心を育てていくお手伝いをしています。

愚痴の奥にある、本当の気持ちに出会えたとき、人は少しずつ「同じ話を繰り返さなくても大丈夫」という感覚を取り戻していきます。

それは、「愚痴を我慢できるようになった」ということではありません。

安心できる場所が、自分の中に少しずつ育ってきたということなのだと思います。

 

 

 

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「大丈夫です」と言ってしまう人ほど、本当は助けを必要としているのかもしれません

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「大丈夫です。」

体調を尋ねられた時、
忙しさを尋ねられた時、

「大丈夫です。」

と、つい言ってしまっていませんか?

でも、その「大丈夫」は、本当にあなたの本音でしょうか。


「大丈夫」は嘘ではない

ここで誤解してほしくないのは、「大丈夫」と言う人が嘘をついているわけではない、ということです。

むしろ、その人にとっては本当に「大丈夫」なのです。

もっと正確に言えば、

「これくらいなら頑張れる。」
「まだ我慢できる。」
「人に迷惑をかけるほどではない。」

そんな感覚なのかもしれません。

長い間こうやって生きてきた人ほど、つらさの基準が少しずつ上がっていきます。

周りの人なら「それは大変だね」と感じることでも、

本人は「これくらい普通」と思ってしまうのです。


身体は、もっと前から気づいている

一方で、身体は案外正直です。

肩がこる。
眠れない。
胃が痛い。
食べ過ぎてしまう。
何もやる気が起きない。
涙が出る。
イライラする。
休日になると動けなくなる。
気づくとため息ばかりついている。

こうした反応は、身体からの「もう十分頑張っていますよ」というサインなのかもしれません。

ポリヴェーガル理論やSomatic Experiencing®では、私たちの神経系は「安全に生き延びること」を最優先に働くと考えます。

そのため、危険やストレスが長く続くと、「つらい」と感じることよりも、まず**「なんとか今日も乗り切る」**ことが優先されます。

だから、「大丈夫」と言いながら身体が悲鳴を上げていることは、決して珍しいことではありません。

私たちは頭では気づいていなくても、身体や違和感のほうが先に「もう限界に近いよ」と教えてくれていることがあります。

「大丈夫」は、自分を守るために身につけた反応でもあるのです。


「助けて」が言えない理由

「助けて」が言えない人は少なくありません。

・こんなことで相談していいのかな。
・もっと大変な人がいる。
・迷惑をかけたくない。
・自分で何とかしなければ。

こうした思いは、とても自然なものです。

でも、その背景には、

これまでの人生で、

「弱音を吐けなかった経験」

「頼っても助けてもらえなかった経験」

「頑張ることで認められてきた経験」

が積み重なっていることもあります。

だから「助けて」が言えないのは、

弱いからではなく、

そうするしかなかった歴史なのかもしれません。


カウンセリングでよくあること

初回のカウンセリングでは、

思いっきりつらさを話してくださる方もいれば、

「しんどいんですけど、でもまあ大丈夫なんですけどね。」

と控えめに話してくださる方もいます。

でも、身体を落ち着けるワークをしたり、ゆっくりお話を聞いていくと、

「そういえば最近ずっと眠れていません。」

「実は毎朝つらいんです。」

「こんなこと誰にも話したことがなくて。」

そんな言葉が少しずつ出てくることがあります。

話すことで初めて、

「私は思っていたより頑張っていたんだ。」

と気づくことも少なくありません。

そして、その瞬間、張りつめていた表情が少しやわらいだり、ほっと息をついたりする方もいらっしゃいます。

身体は、ずっと前から気づいていたことに、心が少しずつ追いついてくる。

そんな時間をご一緒することも、カウンセリングの大切な役割なのだと感じています。


「大丈夫じゃなくても大丈夫」

カウンセリングは、

「限界になった人」だけが来る場所ではありません。

「これくらいで相談していいのかな。」

という段階で来ていただいて大丈夫です。

むしろ、そのくらいのタイミングのほうが、自分の感覚を取り戻しやすいこともあります。

「大丈夫」という言葉の奥にある気持ちを、急いで変える必要はありません。

でも、

もしその言葉を何度も口にしていることに気づいたら、

少しだけ立ち止まって、

身体や心に問いかけてみてください。

「本当に大丈夫?」

その問いに、すぐ答えが出なくても構いません。

ゆっくり耳を澄ませていく時間も、自分を大切にする一歩なのだと思います。

私たちは、「大丈夫」と言い続けることで、自分を守ってきたのかもしれません。

だから、「大丈夫」と言ってしまう自分を責める必要はありません。

その言葉は、これまで精一杯生きてきた証でもあるからです。

でも、これからは一人で頑張り続けなくてもいい。

「大丈夫」の奥にある小さな声にも、少しずつ耳を傾けられるようになること。

それもまた、自分をはぐくむということなのだと思います。

そして、その小さな声を、一人で抱え続ける必要もありません。

誰かと一緒に、身体の声や心の声に耳を傾けていく時間。

それが、カウンセリングという場所なのかもしれません。

 

 

 

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SE (Somatic Experiencing®、米国のPeter Levine博士が開発した身体と神経系の統合をベースにした安全で自然なトラウマ療法)という手法をベースに、『セルフコンパッションを高めて自己肯定感や幸福度を高めるセッション』を提供しています。
対面(新宿、阿佐ヶ谷)、オンラインどちらもご利用いただけます。

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カウンセリングが合わないと感じたら - やめてもいいし、変えてもいい

今日もはぐくむブログをご訪問いただきましてありがとうございます😊

 

これまでの記事では、

  • カウンセリング中に言っていい言葉

  • 境界設定というスキル

  • 修復できる関係の大切さ

についてお話ししてきました。

では、

違和感を伝えても変わらないとき。

何度話しても安心できないとき。

そんなときはどうしたらよいのでしょうか。

今日は、

「カウンセリングが合わないと感じたら」

というテーマについて考えてみたいと思います。


カウンセリングにも相性があります

私たちは時々、

「有名な先生だから」
「経験豊富だから」
「資格を持っているから」

という理由で、

そのカウンセラーが自分にも合うはずだと思ってしまいます。

しかし実際には、

どれほど優れたカウンセラーであっても、

すべての人に合うわけではありません。

人と人との関係だからです。

安心できる人もいれば、

なぜか緊張してしまう人もいます。

話しやすい人もいれば、

うまく話せない人もいます。

それは誰かが悪いからではなく、

相性の問題であることも少なくありません。


違和感は大切な情報です

カウンセリングを受けていると、

こんなことが起こるかもしれません。

  • セッション後にいつもぐったりする

  • なぜか緊張が続く

  • 本音を話しにくい

  • 話したいことが話せない

  • 違和感を伝えるのが怖い

  • 伝えても変化がない

こうした体験があるとき、

私たちはつい、

「私が悪いのかな」
「もっと頑張らないといけないのかな」

と考えてしまうことがあります。

でも、違和感は間違いではありません。

違和感は、

あなたの心や身体が発している大切なサインかもしれないのです。


まずは話し合ってみる

違和感を感じたときに、

すぐにやめる必要はありません。

まずは、

その違和感を言葉にしてみることが大切です。

例えば、

  • 「少し話しにくさを感じています」

  • 「進め方に違和感があります」

  • 「最近あまり安心できません」

  • 「この関係について相談したいです」

といった形で伝えてみることができます。

そこで対話が生まれ、

理解が深まり、

関係が修復されることもあります。


それでも変わらないこともあります

一方で、

違和感を伝えても状況が変わらないこともあります。

例えば、

  • 話を聞いてもらえない

  • フィードバックが受け止められない

  • いつも自分が悪いことになる

  • 不安や混乱が増えていく

  • 境界が尊重されない

そんな状態が続くのであれば、

別の選択肢を考えてもよいかもしれません。


やめることは失敗ではありません

カウンセリングを終了することに、

罪悪感を抱く方もいます。

「ここまで続けたのに」
「期待に応えられなかった」
「逃げているのではないか」

そんなふうに感じることもあるでしょう。

しかし、

カウンセリングをやめることは、

失敗ではありません。

それは、

自分に合う方法や環境を探すための選択であることもあります。


カウンセラーを変えることも選択肢

もし今のカウンセリングが合わないと感じるなら、

別のカウンセラーを探してみることもできます。

実際、

ある人には合わなかったカウンセラーが、

別の人には非常に合うことがあります。

逆もまた同じです。

カウンセリングは、

誰が優れているかだけで決まるものではありません。

あなたが安心して話せるかどうかも、とても大切な要素です。


カウンセリングの目的は「続けること」ではない

時々、

カウンセリングを続けること自体が目的になってしまうことがあります。

でも本来の目的は、

カウンセリングを続けることではありません。

あなたが、

少しずつ自分らしく生きられるようになること。

自分の感覚を信頼できるようになること。

人生をより自由に選べるようになること。

そのための手段としてカウンセリングがあります。

だからこそ、

必要なら続ける。

必要なら休む。

必要なら終わる。

必要なら別の人に相談する。

その選択もまた尊重されてよいのです。


このシリーズで伝えたかったこと

4回にわたって、

カウンセリングにおける安全な関係についてお話ししてきました。

お伝えしたかったことは、とてもシンプルです。

あなたには、

  • 感じたことを言う権利がある

  • 境界を示す権利がある

  • 違和感を伝える権利がある

  • 修復を求める権利がある

  • 離れる権利がある

ということです。

カウンセリングは、

誰かに従う場所ではありません。

あなた自身を理解し、

大切にしていくための場所です。


まとめ:自分の感覚を信頼してみる

もしカウンセリングの中で違和感を感じたら、

その感覚をすぐに否定しなくても大丈夫です。

まずは、

「私はそう感じているんだな」

と認めてみてください。

そして必要であれば、

その違和感を言葉にしてみてください。

あなたの感覚は、

あなた自身を守ろうとしている大切なサインかもしれません。


甘雨|こころとからだのカウンセリング

当ルームでは、

クライエントのペースと境界を尊重しながら、安全な関係づくりを大切にしています。

話すことに迷いがある方も、
自分の気持ちがよくわからない方も、

まずは今の状態から一緒に見つめていけたらと思っています。

安心してご相談ください。

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良いカウンセラーは「傷つけない人」ではなく、修復できる人 - 信頼できるカウンセリング関係とは何でしょうか?

今日もはぐくむブログをご訪問いただきましてありがとうございます😊

これまでの記事では、

  • カウンセリング中に言っていい言葉

  • 境界設定というスキル

についてお話ししてきました。

今回は、

「良いカウンセラーとはどんな人なのか」

について考えてみたいと思います。


良いカウンセラーは、絶対に傷つけない人?

カウンセリングを受けるとき、

私たちは無意識のうちに

「良いカウンセラーなら傷つけないはず」

と思っていることがあります。

もちろん、カウンセラーは安全な場を作る努力をします。

しかし現実には、

どれほど経験豊かなカウンセラーであっても、

  • 誤解することがある

  • 言葉がきつく聞こえることがある

  • タイミングを間違えることがある

  • 見立てが外れることがある

ということは起こり得ます。

カウンセラーもまた、人間だからです。


問題は「傷ついたこと」ではありません

ここで大切なのは、

傷つくことが絶対に起きない関係を目指すことではありません。

本当に問題になるのは、

傷ついたことが扱われないこと

です。

例えば、

クライエントが

「今の言葉は少しきつく感じました」

と伝えたとします。

そのとき、

カウンセラーが

「そんなつもりはありません」

だけで終わらせてしまったらどうでしょうか。

クライエントの体験は置き去りになってしまいます。

一方で、

「そう感じられたのですね」
「どんなふうに受け取られましたか?」
「もう少し一緒に見てみましょう」

と扱うことができれば、

そこには理解と修復の可能性が生まれます。


修復とは何でしょうか?

修復とは、

誰かが間違えなかったことではありません。

関係の中で起きた行き違いや傷つきを、

一緒に扱っていくことです。

カウンセリングの中では、

むしろ修復の経験そのものが癒しになることがあります。

なぜなら、

これまでの人生で

  • 傷ついても話を聞いてもらえなかった

  • 違和感を伝えると怒られた

  • 気持ちを否定された

  • 我慢するしかなかった

という経験をしてきた方が少なくないからです。

そのため、

「違和感を伝えても関係が壊れない」

という体験は、とても大きな意味を持つことがあります。


良いカウンセラーに見られる特徴

もちろん、人によってスタイルはさまざまです。

そのうえで、信頼できるカウンセラーには共通する特徴があります。

フィードバックを受け止めようとする

クライエントからの違和感や不満を、

防衛的にならずに聞こうとします。

間違いを認めることができる

必要なときには、

「私の理解が十分ではなかったかもしれません」

と言うことができます。

クライエントの体験を尊重する

正しいか間違っているかではなく、

まず

「そう感じたのですね」

と体験そのものを大切にします。

修正する柔軟性がある

ペースや進め方を調整しながら、

クライエントに合った関わりを探ろうとします。


完璧なカウンセラーを探さなくていい

時々、

「絶対に傷つけないカウンセラー」

を探そうとする方がいます。

でも、人と人との関係である以上、

完全に行き違いのない関係は存在しません。

大切なのは、

問題が起きないことではなく、

問題が起きたときに扱えることです。

安心できる関係とは、

衝突のない関係ではありません。

衝突や違和感が生じても、

対話を続けられる関係です。


カウンセリングは関係の練習の場でもある

カウンセリングは、

ただ話を聞いてもらう場所ではありません。

そこには、

人と人との関係があります。

だからこそ、

違和感を伝えること。

境界を示すこと。

誤解を話し合うこと。

そして修復を経験すること。

それらすべてが、

人生の中の人間関係にもつながっていきます。


まとめ:信頼は「修復」から生まれる

良いカウンセラーとは、

絶対に傷つけない人ではありません。

違和感や行き違いが起きたときに、

それを一緒に扱うことができる人です。

そして良いカウンセリング関係とは、

問題のない関係ではなく、

修復できる関係です。

もしカウンセリングの中で違和感を感じたなら、

その違和感を言葉にしてみることも大切な一歩かもしれません。

そこから新しい理解や信頼が生まれることがあります。


次回予告

違和感を伝えても変わらない。

何度話しても安心できない。

そんなときはどうしたらよいのでしょうか。

次回は、

「カウンセリングが合わないと感じたら ― やめてもいいし、変えてもいい」

というテーマでお話しします。


甘雨|こころとからだのカウンセリング

当ルームでは、安心できる関係づくりを大切にしています。

違和感や迷いも含めて、一緒に丁寧に扱いながら、その方に合ったペースで進めていきます。

安心してご相談ください。

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カウンセリングで違和感を感じたときに - 境界設定という大切なスキル

今日もはぐくむブログをご訪問いただきましてありがとうございます😊

前回の記事では、

「カウンセリング中に言っていい言葉」

についてお話ししました。

理解できないとき。
怖いとき。
違和感があるとき。

そんなときには、自分の体験を言葉にしてよいというお話でした。

今回は、その一歩先にある

「境界設定(Boundary Setting)」

についてお話ししたいと思います。


境界設定とは何でしょうか?

境界設定とは、

「自分の心や身体を守るための線引き」

のことです。

線引きというと、

「拒絶すること」
「相手を突き放すこと」
「わがままを言うこと」

のように聞こえるかもしれません。

しかし、本来の境界設定はそうではありません。

境界設定とは、

「私には今、こういうことが起きています」

と伝えることです。

つまり、相手をコントロールすることではなく、自分の状態を伝えるためのスキルなのです。


なぜカウンセリングで境界設定が大切なのでしょうか?

カウンセリングは、本来安全な場所です。

しかし、どれほど経験豊かなカウンセラーであっても、人と人との関わりである以上、行き違いや誤解が起こることがあります。

例えば、

  • 話のペースが速い

  • 説明が難しい

  • 話題が重すぎる

  • 言葉がきつく聞こえる

  • 自分の話したいこととずれている

そんなことは決して珍しくありません。

そのときに大切なのは、

我慢することではなく、

「今の私にはこう感じられています」

と伝えることです。

境界設定は、カウンセリングを妨げるものではありません。

むしろ、より安全で信頼できる関係を作るために役立つものなのです。


境界設定が必要になるのはどんなとき?

例えば、こんな場面です。

ペースが速すぎるとき

  • 「少しゆっくり進めてほしいです」

  • 「少し考える時間がほしいです」

  • 「まだついていけていません」

話題が負担になっているとき

  • 「今の私には少し重すぎます」

  • 「別の話題に戻したいです」

  • 「今日はこの話を扱いたくありません」

言葉がきつく感じるとき

  • 「その言い方は私には強く感じます」

  • 「少し怖くなっています」

  • 「責められているように感じています」

進め方に違和感があるとき

  • 「この進め方は私には合わない気がします」

  • 「別の方法を試したいです」

  • 「私が話したいことは少し違います」

セッションを止めたいとき

  • 「今日はここで終わりにしたいです」

  • 「少し休憩したいです」

  • 「続けるかどうか考える時間がほしいです」


境界設定が苦手な人は少なくありません

境界設定が難しいと感じる方はたくさんいます。

その理由は、

性格の問題ではなく、

これまでの対人関係の経験と関係していることがあります。

例えば、

  • 嫌われたくなかった

  • 怒られるのが怖かった

  • 相手を優先することを求められてきた

  • 我慢することで関係を維持してきた

そんな経験があると、

「違和感を伝える」

こと自体が難しくなります。

だから境界設定ができないことを責める必要はありません。

むしろ、

境界設定は練習して身につけていくスキルなのです。


境界設定は関係を壊すものではありません

境界設定というと、

「そんなことを言ったら関係が悪くなるのでは?」

と心配になる方もいます。

しかし実際には、

健全な関係ほど境界設定を歓迎します。

なぜなら、

何も言わずに我慢し続けるよりも、

違和感を共有した方が、お互いを理解しやすくなるからです。

もちろん、伝えた結果として意見が一致しないこともあるでしょう。

それでも、

自分の感覚を無視して関係を続けることと、

自分の感覚を大切にしながら関係を築くことでは、

大きな違いがあります。


まとめ:境界設定は「自分を大切にする技術」

境界設定は、

勇気や強さではなく、

技術です。

最初から上手にできる人はほとんどいません。

少しずつ、

「私はこう感じています」

を言葉にしていくことで身についていきます。

そして境界設定ができるようになると、

カウンセリングだけでなく、

家族関係や職場、人間関係全般にも変化が生まれていきます。

境界設定とは、

相手を拒絶するためのものではありません。

自分自身を大切にするためのスキルなのです。


次回予告

「良いカウンセラーとは、傷つけない人なのでしょうか?」

次回は、

『良いカウンセラーは「傷つけない人」ではなく、修復できる人』

というテーマで、信頼できるカウンセリング関係について考えてみたいと思います。


甘雨|こころとからだのカウンセリング

当ルームでは、クライエントのペースと境界を尊重することを大切にしています。

違和感や迷いも含めて、一緒に丁寧に扱っていけたらと思っています。

安心してご相談ください。

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