はぐくむブログ

自分にやさしくするってどんなこと?をつぶやいています。Somatic Experiencing®を中心に身体の内側からの安心をはぐくみます。

ISPセッション体験記

今日もはぐくむブログをご訪問いただきましてありがとうございます😊

 

前回の記事で、Integral Somatic Psychology( 統合的ソマティック心理学 。以下、ISP。 )のトレーニングを受けた話を書かせてもらいました。

 

レーニングの際、ISPのセッションを受けて、感情へのワークを体感して来ましたので、今日はその体験記です。

 

私は、

最近起こっているさまざまな体調不良が押し込めてきた感情と関係して発生しているのでは?

ということをテーマにしてISPのセッションを受けてみました。

 

まず、一番最近体調不良が起こった時に感じた感情を具体的に思い出すところからセッションがスタートしました。

 

最初に出てきたのは恐怖の感情でした。

恐怖の感情を感じていると、この恐怖は、幼い頃に母から「お前のように性格の悪い子は、大人になってから絶対にやっていけない。社会に絶対に受け入れられない。」と繰り返し言われた際に感じた恐怖につながっていることに気づきました。

 

セラピストさんの誘導を受けて、3歳頃の自分が、夜、布団の中で「私のように性格の悪い人間は絶対にやっていけないんだ。どうしよう。どうしよう。」と目の前が真っ暗になるような恐怖を感じていた具体的な場面を思い出し、恐怖の気持ちを感じて、その気持ちを身体中に広げます。

 

こうして子供の時に感じた恐怖に焦点を当てていると、無力感、絶望感が出てきました。

 

このあたりで、恐怖→無力感→絶望感のループが発生しました。すると、セラピストさんから「そのループのパターンに気づいて。そのパターンの奥にどんな感情が隠れている?」と言われました。( このあたりは、嫌な感情を感じ続けているのでものすごく苦しかったです。笑 )

 

更に無力感、絶望感を感じていると、次第に怒りが出てきました。こんなに努力しているのに、なぜ受け入れてもらえないのか。どうして私は何もかも上手くいかないのか。心の奥の叫びのような、切なく強い怒りでした。

 

この怒りを感じていると、息苦しさが強くなり、胸の痛みが強くなり、ボロボロと涙が出てさまざまな体感が出て来ました。

 

これは、不快な感情をこれ以上感じないようにする身体の防衛反応だ、とISPでは解釈します。脳は、この感情は不快で耐えられない。もう感じないようにしよう、とさまざまな身体の反応を起こして感情から目を逸らそうとするんです。

 

胸の痛みとともにいて、そして涙はちょっとこらえて、そうやって自分の防衛反応に気づきながら、怒りを身体中に広げて行きました。身体に広げる時には、セラピストさんがサポートをしてくれました。すると、息苦しさが弱まり、痛みも薄くなり、胸の1カ所にあった怒りが薄く広く広がったのを感じました。それとともに、怒りの総量は変わらないけれど、薄く広く広がったから、怒りに圧倒されずに一緒にいられることに気づきました。

 

怒りを全身にひろげて怒りとともにいると、怒りを感じているのにとても冷静で穏やかな気持ちでいる自分に驚きました。怒りって、感じていても静かな気持ちでいられる感情なのだな、怒りって感じても大丈夫なんだな、と生まれて初めて思ったのです。

 

さらに、怒りの感情を身体の外側まで広げてあくようにセラピストさんから誘導されました。するとさらに怒りが薄まり、安定して共にいられることをじっくり感じました。

そしてセッションは終わりました。

 

今まで、「怒っているよ。」と本人は言っているのに声を荒げたりイライラしない穏やかな人と接するとなぜ怒りを感じながらそれを表現しないでいられるのかすごく不思議だったのですが、彼らはこんな風に怒りとともにいても冷静でいられたのか、と腑に落ちたセッションでした。

 

感情を感じても感情とともにいられることを情動耐性と呼びますが、ISPでは情動耐性を高めることを通じて、脳の扁桃体を落ち着かせて新皮質の働きを高めます。すると、認知が変わり、行動が変わるのです。

 

ISPセッション、とてもパワフルです。