はぐくむブログ

自分にやさしくするってどんなこと?をつぶやいています。Somatic Experiencing®を中心に身体の内側からの安心をはぐくみます。

トラウマの3つのループ(その2)

 今日もはぐくむブログをご訪問いただきましてありがとうございます😊

 最近、トラウマの3つのループの話を聞きました。トラウマを受けた時に、私たちの脳と身体でどんなことが起こっているのかについての仮説です。

 今回は3つのループの2つめのループの覚書です。
 ここで理解してもらいたいのは、「自分には価値がない」「自分は孤立している」「人が来てもはねのけてしまうし、自分には欠けたところがあって誰も味方してくれない」「だから自分は人とつながることはできない」という気持ちが強い方は、脳と身体の反応の結果としてそのつらい認知が生まれている、ということです。

 そして、これがトラウマワークの難しいところになるのですが、ループ2の神経回路ができあがってしまっていると、愛着(親密になったり、絆を感じたり)を感じるとループ2が発火してしまう、という点です。

 自分を癒すために愛着を感じると、身体がトラウマ反応を起こしてしまうという皮肉なことが起こってしまうわけです。

 

ループ2 : 中脳辺縁系ドーパミンシステムのループ

脅威となる出来事をきっかけにCRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)やダイノルフィンが分泌される
 ↓
CRFやダイノルフィンが脳内に拡散すると、「今、非常に危険だ、こわい、自分は何もできない、自分は人から必要とされていない」という感覚がわいてくる
 ↓
すると、「親密になったり、絆を求めたり、助けを求めたりするのは悪いことだ」という認知が起こる
 ↓
そして、「自分には価値がない」「自分は孤立している」「人が来てもはねのけてしまうし、自分には欠けたところがあって誰も味方してくれない」「だから自分は人とつながることはできない」という新しい認知のセットができあがる
 ↓
これらの認知が、別の「脅威」となる。

そして、この「脅威」が、ループ1を新しく走らせるきっかけになる。

そしてループ1で再び自律神経を通じて身体に脅威の感覚が刻み付けられ、するとループ2が刺激されて「自分はダメなんだ」という認知が強化される。

ループ1とループ2は同時に発火し、お互いを刺激し、強化されていく。

 

トラウマの3つのループ(その1) - はぐくむブログ

トラウマの3つのループ(その3) - はぐくむブログ

 

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SE (Somatic Experiencing®、米国のPeter Levine博士が開発した身体と神経系の統合をベースにした安全で自然なトラウマ療法)という手法をベースに、『セルフコンパッションを高めて自己肯定感や幸福度を高めるセッション』を提供しています。
対面(新宿、高円寺、指扇(埼玉))、オンラインどちらもご利用いただけます。

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トラウマの3つのループ(その1)

 今日もはぐくむブログをご訪問いただきましてありがとうございます😊

 最近、トラウマの3つのループの話を聞きました。私たちの脳と身体で「トラウマ」と呼ばれるものがどんなメカニズムで影響を及ぼすのかについての仮説です。

 今回は3つのループの1つめのループの覚書です。
 ここで理解してもらいたいのは、「自分は人間として失敗な存在だ」「自分は愛されない存在だ」という気持ちが強い方は、脳と身体の反応の結果としてそのつらい認知が生まれている、ということです。

 

ループ1 :身体の気づき ~PAG(水道周囲灰白質)-自律神経のループ~

脅威となる出来事に偏桃体(amygdala)が反応する
 ↓
偏桃体が水道周囲灰白質(PAG)に「脅威があるよ!よくないことが起こってるよ!」と伝える
 ↓
水道周囲灰白質が、terror,grief,panick,rage,pain,shame,disgustなどの感情をうみだす。
 ↓
ここで上丘(superior colliculus)が登場。
上丘は脅威に対して向かっていくのか、離れようとするのかを決める役割。
トラウマシチュエーションでは上丘は「離れよう!」という信号をだす。
 ↓
「PAGによる集中的で強烈な感情体験」と「上丘による「離れよう!」」
が同時に瞬間的に起こると、自律神経系が防衛反応を行動に移す準備を始める
 ↓
身体が防衛反応を行動に移す準備をはじめたという情報は辺縁系を通じて大脳基底核(basal ganglia)にフィードバックされる
 ↓
大脳基底核は闘ったり、逃げたり、凍り付いたり、隠れたり、避けたり、崩れ落ちたりといったいわゆる闘争逃走反応と凍り付きを引き起こす。
 ↓
すると、島(Insula)や前帯状皮質(Anterior cingulate cortex)が「あ、自分は今逃げようとしているんだ」と自分の状態を把握する。
 ↓
「自分は逃げている」という自分の状態を把握したという情報は、前頭葉前頭前野腹内側部(ventral medial prefrontal cortex : vmPFC)に伝わる。
このvmPFCは思考、認知の機能を果たす部分。
 ↓
「自分は逃げている」という情報を受け取ったvmPFCは、
「自分は死にそうだ」「自分は存在していない」「自分は人間として失敗作だ」「自分は愛されない存在だ」「自分はもはや人間ではない」
という認知を生み出す。
 ↓
vmPFCが生み出すこれらの認知が「脅威」となる。そして、脅威のループがターボがかかってぐるぐるとまわり、強化されていく。

トラウマの3つのループ(その2) - はぐくむブログ

トラウマの3つのループ(その3) - はぐくむブログ

 

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寛容でこそ人は自由

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寛容でこそ人は自由、という言葉を聞きました。

自分自身に対して寛容でいると、
心は軽く自由でいられる。

自分自身に対して寛容でいると、
他人にも寛容でいられる。

他人に対して寛容でらいると、
心は軽く自由でいられる。

そんな意味の言葉なのかな、
と思います。

 

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やる気がでないときには

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 心理カウンセリングを始める前にキャリアコンサルティングをやっていた関係で、お正月早々、キャリアコンサルティングに関する資格更新のための研修動画を視聴しています。(今までサボっていたツケが・・・涙)

 そんなこんなで、2021年の目標をゆっくりと考える余裕がなく、今日に至っています(笑)

 そんなぐだぐだな状態で動画をみていたところ、こんな話がありました。

 目標と行動の関係の話です。

 目標をたてるから、やることが明確になって、行動できる、というのは一般的な考え方ですよね。「明確な目標 → 意識の強化 → 行動の変容」という流れです。

 でも、逆の流れもアリなんだそうです。
「 行動の変容 → 意識の強化 → 明確な目標」

 やる気がでないとき、目標とかよくわからないときでも、とりあえず行動してみる。
すると、行動する中からやる気がでてくるのだそうです。

 まずはやってみる、試してみる、行動しながら軌道修正していけばいい。

 

  なにもやる気がしないし、動きたくないときも、とりあえずお布団からでてみる。
お布団から出るのも難しかったら、とりあえず寝返りをうってみたり、上半身だけ起き上がってみる。
お掃除するのがめんどくさいときは、とりあえず掃除機のスイッチを入れてみる。

 すごく大きな何かをしなくても、とりあえず何か身体を動かしてみる。
 これが、明確な目標につながっていくようです。

 2021年の目標立ててないけど、とりあえずWEB動画を受講するという行動を起こした自分を、ほめたたえようと思います(笑)

 

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自分を満たすこと

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子犬を新しく飼い始めた家族に密着するテレビ番組を見て、"欲求を満たすこと"の大切さを感じました。
犬を飼ったことのない家族が子犬を迎えることになり、
子ども達は大喜び。
ところが、数日後に変化があらわれます。
子犬を抱っこするお母さんをみて、
子どもがお母さんに抱っこをせがむようになったのです。
さらに、兄弟がお母さんと一緒にいるだけでもヤキモチを焼くようになり・・。
最後には、幼稚園への登園拒否にまで発展してしまいました。

そんな女の子を見て、お母さんはどんな行動をとったと思いますか?

叱る、なだめる、説得する・・?

ではなく、やさしく、幼稚園をおやすみすることを許したんです。
さらに、パフェを食べたい、
と言い出した女の子の希望を叶えて、
一緒にパフェを食べに行き、
女の子がお母さんを独占できるように寄り添ったんです。

そして、女の子とゆっくり話しました。
子犬にヤキモチを焼いちゃったんだね、と。

すると、女の子に変化が!
再び子犬をかわいがるようになり、
さらには嫌がっていた
子犬のフンの始末まで自主的にこなしました。

厳しい親御さんに育てられた方には、
そんな対応をしてくれる親がいるなんて
信じられないかもしれません(笑)

まず素晴らしいのが、
子どもの「心のコップ」を満たす対応。
お母さんの愛情が
子犬に独占されてしまうんじゃないかという
女の子の不安、さびしさ、怒り、に気づいて、
お母さんの愛情をいっぱい感じられるようにしてあげたこと。

そして、女の子が自分では整理できていない
心のモヤモヤを、
ゆっくりと話しながら、
ヤキモチを焼いちゃったんだね、
とモヤモヤとした感情に
"感情の名前"をつけるのを手伝ったこと。

女の子の心のコップは、
子どもだからまだ小さくて、ヒビも入りやすい。

それを「なぜ小さいんだ!
なぜそんなに弱くて割れやすいんだ!」
と責めるのではなく、
もう一度コップを満たせるように
寄り添う。

こういう体験を繰り返して、
心のコップは少しずつ大きくなり、
強度を増していくんですよね。

大人の私たちは、
自分で自分のコップを満たして、
コップを少しずつ強く大きなものに
していくことができます。

それにはまず、
自分のコップを満たすこと。

やっぱり、セルフコンパッションなんですよね。

 

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年末は無条件で自分をねぎらってみる

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 年末ですね。2020年はどんな1年でしたでしょうか?
年末は、立ち止まって1年をふりかえる
いいタイミングですよね。
1年をふりかえるときには、
この1年をすごして、
年末の今を生きている自分を、
ゆっくりねぎらってくださいね。 

  なにかを達成したからではなく、
なにか評価できることがあるからではなく、
ただ生きて息をしていることを賞賛して、
ねぎらってくださいね。

 お互い、この年末を迎えて、
ほんとにえらいですよね(笑)
 1年間、お疲れ様でした。

 

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愛着スタイル”不安型”の生きづらさ

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  愛着スタイル”不安型”の生きづらさの1つに
”あいまいさに耐えられない”点があります。
白か黒か、敵か味方かがわからない状態が
とってもストレスなんです。

 ただ、白or黒、敵or味方が確認できても、
そこで終わらないのが"不安型"の苦しいところです。
次は、それが本当なのか、心変わりしていないか、
不安になってしまうんです。

 安全を確認しようと石橋をたたいて、
石橋が壊れるまでたたき続けてしまう感じです。

 「信じる」のが難しいんですよね。

 それには、幼いころの養育者との関係で
身につけてしまった信念やパターンがあります。
不安型の愛着スタイルにつながるのは、
養育者が時間や気持ちの余裕のあるときは
子どもに関心や愛情を向けるものの、
時間や気持ちの余裕がない時には
子どもに無関心になる、
というムラのあるかかわり方です。
子どもは、
「自分への関心や愛情はいつなくなるかわからない」、
「自分に関心や愛情を持ってもらうためには
いい子でいなきゃ。
相手が求めることをしなきゃ。」
と無意識の部分で学習してしまいます。

 つまり、「信じる」のが難しくなるんです。
 そして、ありのままの自分では
関心や愛情を持ってもらえない、
とも思うようになります。

 これを大人になってからも繰り返して
しまうと、生きづらさにつながります。

 恋愛面では、嫉妬や猜疑心に苦しんだり、
相手を束縛してしまったり、日常生活では、
やたらと予定をつめこまないと
落ち着かなくていつも余裕がなかったり、
メールの返信が遅いと落ち着かなかったり、
などということが起こりがちです。

 子育ての場面では、自分の不安を
自分で抱えることができずに、
子どもに対して不安をぶつけがちです。
(本人には自分の不安を抱えきれていない
という自覚はないですが・・・)
例えば、「お母さんは病気かもしれない。
お母さんが死んだらどうする?」とか
「お父さんとお母さんが離婚したらどうする?」
というような問いかけを子どもにしたり、
「おまえはなんて出来の悪い子なんだ」
と子どもを責めたり、というように。

 思い当たる方は、まず自分が「不安」を感じていること
に気づくことが大事です。
 そして、「不安」にふりまわされない自分になっていく
レーニングをしていく必要があります。そのトレーニン
を支えてくれる大きな土台が「ほっとする感覚」です。
少しずつ、試してみてくださいね。

 

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